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ゆうれい読書通信

幻想文学、ミステリ、SFなど

A.M.エスピノーサ スペイン民話集

内容(「BOOK」データベースより)
スペインの民話は、説話ずきのイスラムの伝承と、新教国がとうに捨て去ってしまった中世の奇跡にまつわる伝承とをよく保存している。デカメロン風の神父と農婦の姦通話、芥川の「蜘蛛の糸」の原話「聖女カタリーナ」等、特徴ある民話82篇を精選。エスピノーサ(1880‐1958)はスペイン系アメリカの言語・口承文芸の研究者。


読了日:9/21

 スペインの民話って全然知らないなーちょっとイスラム色はいってるのかなーと軽い気持ちで読み始めたら、しょっぱなから娘さんが紳士のお尻に槌で大蕪を突っ込む話からはじまって度肝を抜かれました。うん。もしやこれが通常運行なんじゃなかろうな…と不安になったけど、カオス度はこれがピークだった模様。出落ちで良かった。私の中のスペイン観が変わってしまうところだった。しかし聖職者が人妻に普通に手を出してる話がぽんぽん出てくるので、スペインに対するある面でのイメージは強化されたかもしれない。
 全体の感想として、短い話が多く、悲劇も喜劇も突拍子もない話もあっさりさっぱりと語られている。中にはそのままジョークとして語ることができそうな話も。というか教訓話とメルヘンの章以外の八割方の話にはユーモアがきいていて、昔はこういった話を聞きながらみんなで笑ってたんじゃないかな、と勝手に想像。
 その他の感想。「コロリン・コロラド、この話は終わった」という締めの文句がかわいい。この文句で話を強制終了させてないか?と思われる話もあった気がするが。狼は大概不憫。印象に残ったのはやっぱり最初の「メボウキの株」と、これまたカオスだが割りとメジャーな話らしい「半分のひよこ」かな。