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ゆうれい読書通信

幻想文学、ミステリ、SFなど

カルロス・フエンテス 誕生日

感想 海外 幻想 マジックリアリズム


内容(「BOOK」データベースより)
過去でありながら、未来でもある混沌の現在―螺旋状の時間。家であり、町であり、一つの世界である場所―流転する空間。自分自身であり、同時に他の誰もである存在―互換しうる私。目眩めく迷宮の小説。『アウラ』をも凌駕する、メキシコの文豪による神妙の傑作。


読了日:10/21

 全容ははっきりつかめないが、とにかく面妖な世界に引きずり込まれてしまったということはまざまざと感じる。妖しくエロティックで秘密に満ちた悪夢のような。閉じた世界かとおもいきや、自我の箍は外されていく感覚。宗教、輪廻のテーマもいりまじり、重厚さも十分。
 フエンテスは「アウラ・純な魂」だけ以前に読んだことがあるんだけど、アウラが円環的、平面的な迷宮世界であったのにくらべこちらは三次元的迷宮世界のように感じる。こういう方向で行くのかな、となんとか予想をつけはじめた端からまた見知らぬ時空に迷い込む。エッシャーの世界みたい、という感想にはとても共感。上へ登ってると思ったら横に進んでました、座標軸の正しい向きがもはやわかりません、どうやったら中心にたどりつけるの?的な。まさに迷宮小説。とにかく難解で得体のしれない作品だけど、その迷宮をふらふらうろつく体験自体が魅惑的だった。解説が結構な分量なので、考察したい人にはいいと思う。私も考察できるもんならしたいが不出来な頭が知恵熱出しそうなので…

 あとは個人的メモなんだけど、「扉が扉でなくなるのはどんなとき?」の答えはあれだけではないような気がするんだけどなぁ。といってこれといった答えが思い浮かぶわけではないんだけど