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ゆうれい読書通信

幻想文学、ミステリ、SFなど

佐藤亜紀 天使

感想 国内 ファンタジー


内容(「BOOK」データベースより)
第一次大戦前夜、天賦の“感覚”を持つジェルジュは、オーストリアの諜報活動を指揮する“顧問官”に拾われ、その配下となる。混迷の欧州で繰りひろげられる、“選ばれし者たち”の闘いの結末は!?堕天使たちのサイキック・ウォーズ。



読了日:10/27

 初佐藤亜紀。「感覚」という超能力を備えた異能者たちが第一次大戦のヨーロッパで暗躍するお話。内容紹介はテンション高いけど、実際はかなり乾いた、抑制のきいた作品である。なんといっても端正で無駄な肉のない文章がかっこいい。「感覚」に関して余計な説明は全くないし、異能者たちの能力ゆえの葛藤や感傷もない。舞台背景の説明や心情描写もばっさりそぎ落とされてるので、突き放されてる感じを受けるぐらい。ハードボイルド。
 ただ、文章も筋書きも常に緊張感を保ったまま最後まで走り抜けるので、どこにどうテンションを持っていけばいいのかが分からなかったなぁ。個人的にはある程度緩急がないと辛い。時たま「感覚」の使用がみずみずしく描写されてるところがあって、そこはとても好きだった。
 あとキャラがいっぱい出てくるのは楽しい。私は顧問官とコンラートとダーフィットとフローラが好きです