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ゆうれい読書通信

幻想文学、ミステリ、SFなど

大阪圭吉 とむらい機関車


内容紹介
名作の誉れ高い表題作を劈頭に、シャーロック・ホームズばりの叡智で謎を解く名探偵青山喬介の全活躍譚など九編に併せて「連続短回顧」ほかのエッセイを収める。初出時の挿絵附。収録作品 とむらい機関車/デパートの絞刑吏/カンカン虫殺人事件/白鮫号の殺人事件/気狂い機関車/石塀幽霊/あやつり裁判/雪解/坑鬼 解説・巽昌章


読了日:11/2


 戦前の本格短編。いい意味での古さを感じるし、端正だけどある種の瑞々しさというか味もあっていい。この妙な安心感はなんだろう、と思いながら読んでたけど解説を読んで腑に落ちた。人間の心情行動だけじゃなく自然や人造物も不思議な具合に絡んで謎が形成される、アニミズム的世界観が私にとっては落ち着くらしい。解説では童話的、と表現されてるけどちょっとわかるなー。もちろん人は死ぬし死体の描写は乾いた印象とはいえ結構えぐいのだが…どこか幻想・怪奇系に近い雰囲気がある。
 古典的だけど陰惨さに打ちのめされる表題作のほか、筆致・トリックともに文句なしの「坑鬼」、ミステリというより短編として好みだった「気狂い機関車」が印象に残った。


とむらい機関車、デパートの絞刑吏、カンカン虫殺人事件、白鮫号の殺人事件、気狂い機関車、石塀幽霊、あやつり裁判、雪解、抗鬼