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ゆうれい読書通信

幻想文学、ミステリ、SFなど

イーヴリン・ウォー 大転落

感想 海外 ユーモア




 初イーヴリン・ウォー。ごく基礎的な英文学史でも名前の上がってくる作家だと思いますが、なんか古典的というイメージがあって「読むものなくなったら読んでみてもいいかも」候補にいれていた。つまり九割方読まないであろう候補ですね。それを急に読む気になったのは、国書のウッドハウス・コレクションの帯がきっかけだったりする。「ウッドハウスはこの世界を、生きられる、楽しめる場所にしてくれる(イーヴリン・ウォー)」と書かれている帯を見て、ですよねー!と好感度があがったわけです。単純。
 …というわけでパブリックスクール舞台のユーモア小説だという『大転落』を買ってみた。ひょんなことから学校を退学になり、教師として働くことになったペニーフェザー君。しかしほんとの災難はここから!という巻き込まれ型転落物語。キャラクターを描くのもうまいし展開もスピーディだしでめっぽうおもしろい。ウッドハウス的なユーモアとはまた別物の、シニカルでちょっとナンセンスな洗練されたユーモアが楽しめる。時にどきっとするぐらいのドライさがあって、その冷徹さとのんきさのバランスのゆらぎがもたらす特有の空気感が印象的。最後はシニカルにしめるのかと思いきや意外に感傷的で、そこもまた好みだった。
 解説で、25歳の時に書かれた作品だと知ってちょっと驚いた。妙に垢抜けた端正さやあまり自意識を感じさせないところからして、そんな若書きの作品だとは予想してなかったなぁ。言われてみればほとばしる才気や軽やかさは若々しい。





以下ネタバレ。というか嘆き。








プレンディ好きだったのに…うわあああぁん…
ホテルのシーンを思い出すとつらい