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ゆうれい読書通信

幻想文学、ミステリ、SFなど

アルジャーノン・ブラックウッド 人間和声 / ポール・ギャリコ 幽霊が多すぎる



 夢見がちな青年、スピンロビンは“勇気と想像力ある秘書求む。当方は隠退した聖職者。テノールの声とヘブライ語の多少の知識が必須”という謎の求人に応募し、山奥の屋敷に住み込むことになる。雇い主のフィリップ・スケール は声と言葉を使ったある実験をしていた。彼によるとバス、テノール、アルト、ソプラノの四人が適切な方法である名前を同時に発音すると、超自然的存在を呼び出すことができるという…
 南條竹則『怪奇三昧』によるとブラックウッドの長編小説は冗長なものが多いらしいですが、これはその欠点を免れている作品と紹介されていたこともあって読んでみた。オカルティックなアイデアは好みだし、楽音やハーモニーのもたらす至福の状態を文字で表現しようと試みているところなんかは作者の熱さに引き込まれるのだが、似たような描写が繰り返されるのでお腹いっぱいになってしまうなぁ。もうちょっと短ければ。




 由緒正しきパラダイン家の館で起こった幽霊騒ぎ。パラダイン家に厄災を引き起こすと伝えられている尼僧の幽霊、ポルターガイスト、ひとりでになるハープ…。真相解明に乗り出すのは、心霊研究家のアレグザンダー・ヒーロー。ちょっとのんびりした感じではあるものの、本格ミステリの雰囲気はあります。以下は完全に個人的な好き嫌いの話ですので注意。
 幽霊はいくら多くてもいいのですが、ロマンスが多すぎるのはいただけませんね!(ひがみ)別に恋をするなとは言わないが、探偵役にハーレム築かれるとちょっと。無自覚鈍感系じゃなく割りとノリノリだし自分の弱点は女だって自覚はあるようですが。まぁ名は体を表すってやつですかね。ここらへんの人間模様、ユーモアを楽しむ作品だと思うので、残念ながら自分とは相性が悪かったみたい。