一言感想まとめ
西崎憲 世界の果ての庭
幾つかの物語の断片が交互に描かれ、ゆるやかにつながり、しかし収束はしない。幾つものルーム(区画)が連なる庭を逍遥する心地。虚実も時空も宙ぶらりんな中を漂う快楽は何だか癖になる。
荒俣宏の裏・世界遺産2 イギリス魔界紀行 ――妖精と魔女の故郷へ
テレビ番組取材時の旅行記のため、オカルト色強めの世界ふしぎ発見といったテイスト。レイライン、ストーンヘンジ、ケルト、ミステリーサークル、妖精、魔女、幽霊、と盛りだくさんだが、後半のテーマはやや駆け足な印象も。レイライン、ストーンヘンジあたりに的を絞って書いて欲しかったなぁ。
中島義道 非社交的社交性 大人になるということ
第二部の奇人列伝の印象が強すぎて第一部の内容が思い出せない…。若者の奇行エピソードの羅列だけで終わるんでは、と途中焦りかけたものの、その行動背景の分析は簡潔ながら身につまされるものでありました。