ゆうれい読書通信

幻想文学、ミステリ、SFなど

三谷 康之 イギリスの窓文化 / レイモンド・チャンドラー 雨の殺人者


三谷 康之 イギリスの窓文化


 イギリスの様々な窓について。その窓の出てくる文学や映画についての言及はあるものの、建築史的なことにはあまり触れず、エッセイ的なところがあってとても読みやすい。古典児童文学を思わせるような、落ち着いた丁寧な文章がいいな。多数のモノクロ写真付きで、これがまた見ていて落ち着きます。特に窓座、分厚い壁に窓が漏斗型にくりぬかれていて壁の側面にベンチがつけられているもの、あれはいいなぁ…。 翻訳ものを読んでいるとよく分からない建築用語に出くわしがちですが、これで窓関連には強くなったはず。




レイモンド・チャンドラー 雨の殺人者


 チャンドラーは二冊目。長編の元ネタになった短編が二つほど入ってるらしく、選択をあやまった気がしないでもない。だってタイトルかっこよかったからさ…。殺人者ってはいってるとかっこいいよね。殺人者の空とか。
 基本、長編を濃縮したような短編が多かったような。短編らしい短編といえば青銅の扉、これはちょっと毛色が違ってて、SFとか幻想文学のアンソロにしれっとまざってそう。よくありそうな設定だけど最後がいい。