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ゆうれい読書通信

幻想文学、ミステリ、SFなど

テリー・ホワイト 真夜中の相棒

感想 海外


テリー・ホワイト 真夜中の相棒


 ベトナム戦争での出来事をきっかけに共に生きるようになったジョニーとマック。借金を重ね否応なく殺し屋となった彼らは、とある手違いで刑事を殺してしまい、被害者の相棒の刑事に追われることになる。
 希望の見えない、しかしリリカルな美しさナイーブさを持つノワール。トライアングルという原題の通り主題は三人の関係。苦い結末に、人間関係における偶然と必然の割合ってどんなものだろう、と考えてしまう。人は通常自分の足場を組んだ上に立って他人に糸を投げかける、その糸は人によって数も長さも太さも違う、そして自分の足場すら危ういジョニーがあの日マックに投げたのは命綱だった。それをマックが受け取り、そしてそのうちマックにとってもその糸は命綱になったけれど、あの時目の前にいたのがマックじゃなければ、マックに家族や他の親友がいれば…たった少しの違いで成立しなかった関係には違いない。もしくは、相手がマックじゃなくても糸を受け取ってくれる人なら、おそらく全く同じではなくても相似的な関係を築いていたのかもしれない。マックというキャラクターの持つ必然性はどれだけのものだろう?考えてもしかたのないことだけど。結局のところ結果はひとつしかなく、だからこそ物語の最後にはただ嘆息するしかない。