ゆうれい読書通信

幻想文学、ミステリ、SFなど

池澤 夏樹 ハワイイ紀行 / 大竹 伸朗 カスバの男―モロッコ旅日記

池澤夏樹 ハワイイ紀行


 ハワイの歴史、食べ物、言語、サーフィンなど幅広く取り扱っていて、ちょっと教科書に掲載されてそうな雰囲気ではあるけれど、ハワイは美しいだけの島ではなく戦いの歴史(と現在)を持っていることを思い出させてくれる。
 波にのる楽しさ喜びを書き綴ったサーフィンの章が好きです。あと、昔ながらの天体観測による航法の章もかっこよかった。




大竹伸朗 カスバの男―モロッコ旅日記


 本屋でぱらっと中を見て目に入った絵がライナーの様にすこーんと飛び込んでくる感じだったので購入。単純な線と色で描かれてるのに脳内で光と空間が広がる感じ。文章も同様に、かなり感覚的で不思議な文体だけれど、脳内でぶわっと膨らむんですよね。面白いなあ。モロッコの気怠さ、猥雑さ、渦巻き流れるエネルギーを脳内体感するにはぴったり。
 筆者の本ははじめてだと思ってたけど絵本の『ジャリおじさん』の作者なんですね。うわあ懐かしい。