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ゆうれい読書通信

幻想文学、ミステリ、SFなど

J・G・バラード 永遠へのパスポート

感想 海外 SF



読了日:10/22


 気だるさと終末感、底の知れない、ある種不気味といってもいい人間心理を静かに描き出すバラードの短篇集。ニューウェーブSFはこの人と山野浩一しか読んだことないので、読むと仕事を辞めてなにかの流れに身を任せたくなるSFとして私の中で認識されている。考えるのをやめてひたすら無為に過ごしたくなるというか…魅力的だけどあぶないあぶない。
 さて、現在創元から出てるバラードの短篇集はこれで制覇したはず。短篇集の中ならやっぱり『時の声』がいいかなぁ。どの話もレベルが高い。この『永遠へのパスポート』は、甘さというかノスタルジー的なものがひかえめな気がする。その分他よりバラエティには富んでるかもしれない。表題作は皮肉の効いたユーモアSFで、こんなものも書くのか、と少し驚いた。「監視塔」や「砂の檻」はバラードらしい作品で好き。「監視塔」の最後の打ちのめされる感じがいい。


九十九階の男 アルファ・ケンタウリへの十三人 12インチLP 監視塔 地球帰還の問題 逃しどめ ステラヴィスタの千の夢 砂の檻 永遠へのパスポート