ゆうれい読書通信

幻想文学、ミステリ、SFなど

2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

田中ロミオ 人類は衰退しました④ / 小田雅久仁 本にだって雄と雌があります

人類は衰退しました 4 (ガガガ文庫) 3巻はちょっと気が滅入りそうだったので飛ばして先に4巻。気力が復活したら3巻も読むから…回復する見通しはたってないというか気力がないのが平常だけど… 4巻は気楽に読むのにうってつけ。「妖精さんの、ひみつのこう…

津原泰水 ルピナス探偵団の憂愁 / 皆川博子 倒立する塔の殺人

ルピナス探偵団の憂愁 (創元推理文庫) ルピナス探偵団二作目。これを読みたいがために当惑(前作)を買ったクチです。ジュブナイルらしい「当惑」にくらべ、「憂愁」は戻らない青春の回想という切なさが全編に満ちていてまた趣が違う。冒頭である登場人物の…

アガサ・クリスティ 五匹の子豚

五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 才能ある画家だった夫を毒殺し獄中死した妻。誰が見ても有罪間違いなしの事件だったが、16年後、ポアロのもとに彼らの娘が訪れて母の無罪を明らかにしてほしいと依頼する。当時の関係者5人の証言と手記からポア…

W.B.イエイツ ケルトの薄明

ケルトの薄明 (ちくま文庫) イエイツが集めたケルトの伝承などを、イエイツ自身が書き記したもの。完全なフィクションではなく、実際に起こったと言われている不思議な話(もしくはそれを語り継いだもの)といったものが多くおさめられている。そのせいか、…

ジュール・シュペルヴィエル 海の上の少女

海の上の少女―シュペルヴィエル短篇選 (大人の本棚) 不思議な光をたたえるシュペルヴィエルの短篇集。強いて言うなら童話に近い雰囲気の作品が多いが、その喪失感とさみしさは透明ではあるものの子どもが読むにはほろ苦い。 シュペルヴィエルは二つの祖国、…