ゆうれい読書通信

幻想文学、ミステリ、SFなど

2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ウォルター・デ・ラ・メア 九つの銅貨

九つの銅貨 (福音館文庫 物語) 詩人であり、幻想文学の書き手であり、児童文学も多数のこしているウォルター・デ・ラ・メア。少し前に創元推理文庫の復刊フェアで『死者の誘い』が出てましたね。今積んでます。読むの楽しみ。 この『九つの銅貨』はジャンル…

グレッグ・イーガン 万物理論

万物理論 (創元SF文庫) 初イーガン。ハードSFって言うんでガチガチの理系よりSFなのかなと思っていたけど、人文学的な面もかなり強い。バイオテクノロジー、通信技術などのSFガジェットはあれこれと描かれるが、自己と世界の関わり、人間性という主題がはっ…

一言感想まとめ

ウィリアム・アイリッシュ 『幻の女』幻の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 9-1)) 適度な緊迫感とスピードで読ませる、お手本のようなストーリー展開。よく出来たサスペンスミステリです。しかし今この作品が評価され続けているのは、プロットの面だけではな…

ミハル・アイヴァス もうひとつの街 / セバスチャン・ジャプリゾ シンデレラの罠

もうひとつの街 プラハの古書店で手にとった本には見たこともない文字が書かれていた。その本を購入して以降、主人公はプラハの街の不思議なもう一面を見ることになる。古風なファンタジーを思わせる滑り出しだけど、繰り出されるイメージと文章はかなりシュ…