ゆうれい読書通信

幻想文学、ミステリ、SFなど

2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

イーヴリン・ウォー 愛されたもの / スティヴンソン 旅は騾馬をつれて

イーヴリン・ウォー 愛されたもの愛されたもの (岩波文庫) アメリカの葬儀産業界隈での奇妙な三角関係を描いたブラックユーモア小説。そのブラックさはかなりえげつないところもあるのだが、こうも抑制のきいたドライな筆致で書かれると優雅な印象さえ受ける…

一言感想まとめ

西崎憲 世界の果ての庭世界の果ての庭 (ショート・ストーリーズ) (創元SF文庫) 幾つかの物語の断片が交互に描かれ、ゆるやかにつながり、しかし収束はしない。幾つものルーム(区画)が連なる庭を逍遥する心地。虚実も時空も宙ぶらりんな中を漂う快楽は何だ…

マルセル・ブリヨン 砂の都

砂の都 ラマ教の壁画を探し求めていた考古学者は、突如激しい砂嵐に襲われ洞窟へ避難する。砂嵐が過ぎ去ったあと、洞窟からはい降りて行くと、そこは活気あふれる中世のオアシス都市だった。 読み終えて少し放心。これは好き。タイトルとは裏腹に、オアシス…