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ゆうれい読書通信

幻想文学、ミステリ、SFなど

一言感想まとめ

ジョージ・オーウェル 一九八四年 



 いつか読もうと思いつつずるずると先延ばしにしてたのをようやっと読んだ。希望のないストーリーながらシンプルな構成と筆致は思いの外読みやすい。特に第三部~ラストはそれまで淡々としていた筆致に少しゆらぎが見えるほど力がはいっており一気に読めた。
 私は基本、社会に対してあまり興味を持たないダメ人間なので、ディストピアSFとしての感想はあまりないです。二重思考は確かに自分でも心当たりがあるのでぎくりとしましたが…。印象に残るのは2,3の儚い美しい情景だったり、容赦の無いラストの悲しさだったり。誰かがSFは第四人称、人類を主語として書かれた物語であるというようなことを言ってたけど、その意味では私はSFに向いてないのかも。




キアラン・カーソン 琥珀捕り



 あらすじ、といえるようなすじはない作品。Amazonの内容紹介はこんな感じ。(”ローマの詩人オウィディウスが描いたギリシア・ローマ神話世界の奇譚『変身物語』、ケルト装飾写本の永久機関めいた文様の迷宮、中世キリスト教聖人伝、アイルランドの民話、フェルメールの絵の読解とその贋作者の運命、顕微鏡や望遠鏡などの光学器械と17世紀オランダの黄金時代をめぐるさまざまの蘊蓄、あるいは普遍言語や遠隔伝達、潜水艦や不眠症をめぐる歴代の奇人たちの夢想と現実──。”)二ヶ月たった今となっては細かいエピソードの大半は記憶からこぼれ落ちてしまっているし、この本はそういった細かいエピソードを編みつなげて作られた作品なので、今となっては感想として書くことが…。ただ、(一見)とりとめもなく語り継がれていく法螺話やうんちくに押し流され、ゆらゆら漂っていくような読み心地は好き。




津原 泰水 11 eleven



 幻想怪奇、SF、ミステリ、そのどれでもありどれともつかない短篇集。題材、ジャンルでみればバリエーション豊かな短篇集のはずだけど、全編に漂う生々しさグロテスクさにその印象を打ち消される。基本、中心にあるのは人の情念だしなぁ。作品の善し悪しは別にして、個人的には苦手な方の津原さん。「手」と「テルミン嬢」が好きかな。


五色の舟、延長コード、追ってくる少年、微笑面・改、琥珀みがき、キリノ、手、クラーケン、YYとその身幹、テルミン嬢、土の枕