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ゆうれい読書通信

幻想文学、ミステリ、SFなど

魅力的な泥棒たち

最近泥棒ものを続けて読んだので。探偵以上にキャラクタの魅力が必要とされるジャンルだろうなぁ。



ローレンス・ブロック 泥棒は選べない



 小粋でスマートな泥棒紳士バーニィが依頼を受けて盗みに入った部屋では殺人事件が起こっていた。容疑者として指名手配された彼は身を隠しながらも犯人を探し始める。
 初ローレンス・ブロック。泥棒探偵バーニィシリーズ一作目。魅力的なキャラクターたちや程よくウィットに富んだ会話は読んでいて飽きさせず、プロットもまとまっていて、読んでいて嬉しくなってくる。軽く読めるけれどもよく出来ていて、面白いです。






マシュー・ディックス 泥棒は几帳面であるべし




 お得意の家々を定期的に巡回し過剰な生活必需品や使われていない宝石などを持ち主に気付かれないように盗み出す、という一風変わった泥棒稼業をしている主人公マーティン。前半はとにかく彼の几帳面なお仕事っぷりが延々描かれる。ちょっとだれるといえばだれるのだけど、彼の愛すべき性格や言動が面白い。自分のルールに奇妙なほど忠実で、几帳面で潔癖症。それに泥棒してる割にすれてなさすぎてむしろ心配になってくる。人との交際はほとんどないようだけど、お得意には友人のような感情を抱いているし。洋鵡と仲良くなろうとするところとか読むともう応援するしかない。そんな彼がお得意の危機のために奮闘する後半は、ストーリーも彼の人生も動き始めて俄然面白くなる。ミステリと思い込んで読んでたのですが成長物語といったほうが近そうですね。まさかこんなほのぼの爽やかな読後感になるとは。






E・W・ホーナング 二人で泥棒を



 シャーロック・ホームズのライヴァルたちのひとつ、泥棒紳士ラッフルズと相棒バニーのシリーズ。前置きにBLについて言及があったり見返しのところに甘く危険な友情だの書かれてたり相当煽られてる感じあったけどそこまでではないよね?私が麻痺してるのか?しかし表面は至極フランクながら自分の考えていることを秘密にしがちなラッフルズとそんな彼に振り回されるバニーのコンビ、バニーのラッフルズに向ける感情にほんのり苦いものが混じっているところはいいです。学生の頃は先輩後輩の関係だったってところもなかなか。しょっぱなの修羅場(?)はおいしかった。あくまでアマチュア泥棒なのもあってミステリとかサスペンスに期待するとちょっと物足りないところはあるけど、最後がえっちょっと待てな終わり方だったので続きも読むかな。