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ゆうれい読書通信

幻想文学、ミステリ、SFなど

夢野久作 ドグラ・マグラ / パーシヴァル・ワイルド 悪党どものお楽しみ


 ぐっと引きずり込まれる冒頭部から、独特の言葉遣いと擬音語の多さが生むリズム感と、事件の真相がいつ明かされるかへの興味が先へ先へと引っ張っていってくれます。奇書やら読んだら気が狂うやら言われている作品ですが存外リーダビリティいいですね。合う合わないがくっきり分かれるだろうなぁとは思いますが。それに、悪夢のなかにいるかのような朦朧とした雰囲気や癖のある文体と裏腹に、堅固な構成からは作者の理知的な計算も伺えるし、何というかエンタメとしても充分に面白い。ただ今回はエンタメ的に読んでしまったために取りこぼしてしまった部分が多そう。



 『検死審問』『検死審問ふたたび』(http://necoyu001.hatenadiary.jp/entry/2013/06/30/223215)のパーシヴァル・ワイルドの短篇集。元イカサマ賭博師(今は足を洗って農夫)の主人公が、友達が巻き込まれるあるいは持ち込んでくるイカサマ賭博の案件を半ば嫌々ながら解決していくお話。ほほーこんな手段があるんだ、と手品の種明かしを見る面白さ。
 解説では検死審問よりこちらの作品の方が打ち解けたユーモアがある、というようなことをおっしゃってたように思いますが、個人的にはむしろ逆なような。でももちろんこれもユーモアはいってます。トラブルメーカーの相方はかわいいし。一応イカサマ師をとっちめる話ではあるけれど、イカサマを働いてる方にも何やら愛情を感じるのがこの人らしい。


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